The Tangent "Not as Good as the Book"

The Tangentの新作、「本ほど良くはない」というタイトルが付いている。

予てより言われていたように、小説が付いている。
ジャケットデザインを見ても判るように
MUSIC BY THE TANGENT
NOVELLA BY ANDY TILLISON
DRAWINGS BY ANTOINE ETTORI
とある。
いかにもプログレらしい抱合わせである。
「これ、プログレですから」(トヨエツ風でも田中麗奈風でも)、ってなもんだ。
とはいえ、Andy Tillisonに言わせると、この小説、後付けらしい。曲が出来上がった後に色々と考えていたら、まず、ジャケットのアートワークを手掛けてくれる人を見つけ、その絵からインスパイアされて、紆余曲折を経て小説となったらしい。
この小説が付く、というアナウンスが出た時、日本盤が出るなら?どうなる?みたいなのもあったんだけど、杞憂に終わってしまった、というか…。
もしかしたら、って話があったかどうか忘れたけど、CDサイズのものに100ページ弱のストーリーが。
正直に、素人が手を出すものじゃないような気がする。うん。



そんなこんななThe Tangentの新譜「これ、プログレですから」な出来なのは音の方も。相変わらず、プログレ・ラブ全開。その内、テレ東系列で深夜帯に番組持つんじゃないか?


さて、小説、というか物語を付随させた作品というのは多い。所謂、コンセプト・アルバム。これが面白い作品って実は…あんまりないよな???時代を反映したマイル・ストーンな作品なのは判るけど、音楽作品として聴くと、変に冗長だったり、要らないパートが多かったり。物語に振り回されてしまった作品というのも枚挙に暇ない。
まぁ、色々あります。ただ、物語好きって言えば、Genesis

Lamb Lies...だと思った?
そうじゃなくて、この「怪奇骨董音楽箱」と秀逸な邦題を持つアルバムの冒頭"The Musical Box"には本当に短い幽霊譚が書かれている。
子供が大切に持っていた"Old King Cole"という童謡が流れるオルゴールをモチーフにした曲から始まり、"Harold the Barrel"なんて曲もストーリがしっかりしている。
そういう趣向が徐々に発展したのが"Lamb Lies..."という事だろう。



さて、そんな小説やらなんやらをCDと抱合わせた作品というのも、あまり記憶にない。
アメリカのプログレ・バンドGlass Hammerが出した"Middle Earth"(まんまである)にA4サイズの本みたいなのが付いていたことはあった。
これ。

ちゃんと読んでないんで、あれなんだけど。
所謂、指輪物語のファンフィクション的なもの、と言うんでしょうかね?そんな感じ。
何ページあったかな?多分40ページぐらい。
イラストも数点。後半にはそれまでリリースした作品の歌詞が書かれていた。



似たようなタイプで絵本、というのも。
これは多いかもしれない。多分。よく知らないんだけど。

Leah Waybrightの"Beauty Gone Wild"。この絵本は曲目毎にイラストがあり、ショートストーリーがある。
この人、音楽家であるだけでなく、フローラル・アーティストであり、野生の植物を守るための活動をしていらっしゃる、という方。そういった自然に影響を受けた作品のよう。
この99年の作品。音はWelcome to Innertainment and the Leah Waybright Website!こちらでどうぞ。
この作品、Happy the ManのRick Kennellプロデュースによるもの。
Ron Riddle(ds)、Stan Whitaker(g)、そして当然Rick Kennellも。
Happy the Manである。


最後にThe Tangentってナニ?ってな人に。