Neal Morse "Testimony Two" ('11)

ネタバレです。今度のTheme's ParkではNeal Morseの"Testimony2"を取り上げます。

Theme's Parkでは(今度、Spock's BeardとNeal Morseの小部屋分けます)Testimonyは所謂Neal Morseの「信仰宣言」と書いた。
その続編となる本作なんだけど。。。
これはもうロック・オペラの範疇。
Neal Morseがここまで曝け出して良いのか?ってぐらい自身のキャリア、生活を赤裸々に語っている。


オープニング・ナンバーの"Mercy Street"。
歌詞カードを見ると2段落目の1行目に「In the house of the rising sun」とある。
「朝日のあたる家」と有名なフォークソングBob DylanからAnimalsなどのヴァージョンがあるが、この歌詞は偶然ではない。

(このSinead O'Connorバージョン良いねぇ)
以前にもSpock's BeardのDave MerosがEric Burdon Bandにいた事を書きましたが、、、
Eric Burdon - Food for Thoughts、Candy for Ears
Neal Morseも99年までEric Burdon Bandにいた。
http://www.ericburdonalbums.com/Eric%20Burdon%27s%20i%20Band%201997%20to%201999%20-%20pic%20page.htm


実は、本作ではこのEric Burdon Bandにいた時までが主に書かれていて、あちこちにBurdon Bandって出てくる。つまりSpock's Beardで言えば、名作"Day for Night"のリリース前までを指す。

Spock's Beardのデビュー時を書いたのが"Time Changer"。

Nick D'Virgilio、Dave Meros、Alan Morseが揃ってヴォーカル・ハーモニーを聴かせる。このスタイルは正に初期Spock'sが得意とするもの。Neal Morseもソロになってから一人カノンとか披露していた。

今回の欧州ツアーバンドは結構豪華で向かって左にKristoffer Gildenlöw(b)、その後ろのキーボードにThe Flower KingsでツアーをしたOla Hadén(key)がいたりする。
その"Time Changer"でも4段目で
「I got the steady gig that I never really had
Playin' every week with the Burdon Band」とある。
このEric Burdon Bandで生計を立てていた様子が窺える。
6段目は自身への揶揄とも取れる歌詞。
「(Spock'sの)曲を書いて(Burdonと)ロードに出て。家にいるならばカミサンを教会へ送って行ってあげたいところだけど(そんな暇はない)。クリスチャンね、頑張って。良いことだよ。でも俺はもう出なきゃ」と。
「Spock's was taking off and we took what we could grab」はSpock'sはデビューしたばかりで、(何でも良いから)掴めるものは掴んだ、という件はもしかしたら(あまり良くない?)契約内容だったのかもしれない。
「Just crank up the tron」のtronはメロトロンの事でしょう。そんなに粗雑に扱ったらダメじゃんか!


"Jayda"はNealの愛娘の名前。そのものずばりに書いていて胸が痛む。
心臓に穴があるけど、医者はそれを見つけられない。
心室中隔欠損症および心房中隔欠損症のことでしょうね…)
「Your daddy's here he'll never let you go」と
「Your mommy knows she has to let you go」の2行に
女親と男親の覚悟の違い、みたいなのが読み取れる。


"Nighttime Collectros"はまさにこの時じゃないかな???

ポーランドの時の映像なんだけど、歌詞にも「at an east european hotel」とある。
この歌詞でJaydaの心臓の穴が塞がった、という報告を受けるシーンがある。
ここから、ロード生活に疲れてきたNeal Morseの心情が切々と歌われていく。
そして"Road Dog Blues"で
「Metal Blade sent a deal that we could not refuse」とあるのは多分98年後半ぐらいだろうか?ここでロード生活に区切りをつけるNeal Morseの喜びが読み取れる。
そして、Disc 1の個人的ハイライトが"It's for You"。
メイキングDVD入りを購入した方は見ていると思いますが、Neal Morseもこの曲が最もパワフルと考えているみたい。

こちらはRandy GeorgeとMike Portnoyという北米リズムセクション


そして、最後の"Crossing Over"。
「My path led from among my band of brothers」というラインが象徴的。
ここで、Spock's Beardとの別離を歌っている。
一応ここでストーリーは完結だとは思うんだけど…
意外とDisc2の"Absolutely Beginner"とかソロ・アーティストとして再出発しているようにも取れなくもない。
ソロ・アーティストとしての喜び(?)とも言える"Supernatural"はNeal Morseカタログの中でも珠玉のナンバー。

大作"Seeds of Gold"は同じマネージメントに所属するSteve Morse入り。


名作。