Pain of Salvation "Linoleum"と"Road Salt"

何かスキャン取ったら黒くなっちゃった…(Road Salt One)
 



さて、Daniel Gildenlöw率いるPain of Salvation
"Linoleum"を聴いた時、EPということもあって、感想文は本編である"Road Salt One"を聴いてからにしよう、って思ったんだけど、何か余計こんがらがった、というか…。
もしかしたら、秋に出る"Road Salt Two"を待った方が良かったのかも…とも思う…けど。。。
因にこの"Road Salt Two"も"Road Salt One"と同時期にレコーディングを行なっており、まぁ、基本的に似たような薫りがすると考えて良いのではないだろうか…多分。。。


輸入盤のBonus Track Bの所にも書いたんだけど、
Pain of Salvation "Linoleum - Bonus Track B" - Food for Thoughts、Candy for Ears
このEPの性質というはのRoad Saltという4つの章を持つ本から代表的なナンバーを収めたような感じらしい。
そしたら、"Road Salt One"に収めれているのは"Linoleum"のみで他の3曲が"Road Salt Two"に収められるのかどうかは判らない。。。
"Linoleum"、リノリウム、という言葉から何を連想するか、っていうとやっぱ、あれでしょ。病院の廊下とか学校の廊下。あの床材。どっちにしろ個人的には好きじゃない物質だなぁ(とか言ってみたり…)。歌詞の感じからやっぱり病院かな?
そして"Mortar Grind"。今度はモルタルときたもんだ。このモルタル・グラインドってのはやっぱ、あれか?モルタルを作るときにセメントと砂を配合する、あのグルグル回るやつかな?
何か資材とかそういう言葉が多いよね、今回。。。



さて、"Road Salt One"。その前にRoad Saltというのはやはり、雪解け用の塩のことらしい。
「車が通れるように雪解け用の塩を使うんだけど、結果的には車にもダメージを負わせてしまう、、、色々な意味に取れるよね」ということらしい。
やっぱり何か、工事関係とかガテン系な言葉が並ぶ。。。
問題なのは"Road Salt One"の限定盤と通常盤。
限定盤にはボーナストラック"What She Means to Me"と通常盤よりちょっとストレッチされた曲("No Way"と"Road Salt")が収められているのだけど…
個人的にボーナストラックってあってもなくてもアルバム総体にはあまり変化を与えない楽曲って思っていたんだけど…これはあるのとないのでは全く違うんじゃないだろうか???という疑問が…
Queenなこれがいきなり冒頭から始まる限定盤とそれがない通常盤だと聴き手の意識は全く違ってしまうのではないだろうか?

歌詞は男女の題材が多くエモーショナルな感情の起伏がダイレクトに書かれている感じがする。
オープニングの"What She Means to Me"からして何か含みがある…。抜粋しようと思ったけど…抜粋出来ないな、こりゃ。
「I don't know what she means to me, I don't know why she moves me」
(僕にとって彼女はどういう存在なのか判らない。何故彼女が僕を揺り動かすのか判らない)
「I don't know where she needs to be, but it is not here beside me」
(彼女がどこにいるべきなのか僕には判らない。でも僕の隣じゃないのは確かだ)
「I don't know what she means to me, I don't know why she moves me」
(僕にとって彼女はどういう存在なのか判らない。何故彼女が僕を揺り動かすのか判らない)
「I don't know why she's not with me, I just know that it kills me」
(何故彼女は僕と一緒にいないのか判らない。それが僕を締め付ける、という事だけ判っている)
「I don't know what she means to me, I don't know why she moves me」
(僕にとって彼女はどういう存在なのか判らない。何故彼女が僕を揺り動かすのか判らない)
「and I don't know where I need to be, but it is not here inside her!」
(そして、僕はどこにいるべきなのか判らない。でも彼女の中ではないのは確かだ!)


"No Way"
「There is no way that you can f○×k her like I can」
(おまえは絶対にオレみたいに彼女を抱けない)
「Oh no, you're simply not that kind of man」
(お前はそういうタイプじゃないんだよ)
「Cause sometimes when she's screaming no, she really wants for you to go, go, go」
(彼女がイヤ、って言った時、本当は「もっともっともっと」って言ってるのさ)
これも棄てられた男の虚言みたいなモンだ。歌詞のストレートさが余計に悲哀を増させる。敢えて伏字にしたけどね。
意外と大切なのは"road salt"という言葉が出てくることだろうね。


その他にも"road"という言葉だけなら"Of Dust"、"Tell Me You don't Know"の最後、"Darkness of Mine"、"Linoleum"、"Innocence"、そして表題曲の"Road Salt"はそのまま出てくる。当然ながら意図的にroadという言葉を使っているんだろう。


閑話休題。元に戻すと…
"Sleeping under the Stars"
「Wait darling wait, and don't worry cause you will see, semen stains wash out surprisingly easily from leather back-seats of expensive cars, and soiled toilet seats in the bars」
(待ちなよ、ダーリン、待ってよ、心配しなくていいから。ほら、高級車の革張りのシートについた精液の痕とかバーのトイレの汚れなんて簡単に落せるんだぜ)
「But why worry about emotional scars, when tonight you'll be sleeping under the stars」
(でも何で心の傷なんて気にするんだよ。だって、今夜君は星の下で寝るんだから)
滅多にsemenなんて言葉を耳にする機会ってないんだけどね…。


"Darkness of Mine"
「So lay me down and lick my skin with your sweetest sickly tongue」
(だからオレを横たえて、お前の甘くてヤバイ舌でオレの体を舐めて)
「Deadly sister, I give myself to you」
(死をもたらす女の子よ、オレをあげよう)
「So lick me, every inch of my soul, and send me naked into the void」
(だから、舐めて、魂の隅々まで、そして裸のまま無へと送ってくれ)
「Pave the road, and sink your thirstiest teeth into my neck」
(道を開いて、お前の乾ききった歯をオレの首に沈めろ)
普通「pave the road」って言ったら、「舗装する」という意味なんだけど、多分、前の文章の「into the void」と連動しているのかも。
「無への道を(舗装して)通れるようにして」という流れかも。
そして、次の文章でバンパイア的なストーリーが出てくる。
Vampireと言えば、Daniel Gildenlöwが歌ったこれを思い出す。



"Curiosity"は言葉遊びがあちこちに見れる。とくにアルバム全体を通して、後からドンドン反対の意味へと追いやっていく手法をとっているんだよね。これまた言葉の使い方が…ストレートなんだよね。まぁ、良いんだけど。訳すの大変だよ、これ。
「Your love is beautiful. Your love is sensual」
(お前の愛は美しく、官能的だ)
「My love will puncture your skin. My loves goes all the way in」
(オレの愛はお前の肌を突き刺す。オレの愛は奥深くまで入り込む)
「Your love is poetry. My love is sodomy」
(お前の愛は詩的だ。オレのは普通じゃない)
「sodomy」という言葉を使うとね、ストレートに書けばまぁ、「アナルセックス」のことだ。
後にも出て来るんだよ。それを示唆する表現みたいなのが。
「See, the only time I hear you take the name of the Lord is when you're tied to the bed with your face against the head board」
(お前が喜ぶ時はいつもベッドに押し付けられて、顔もヘッドボードに押さえられているときだろ)
「So do you take it in vain?」
(だから、いつもみだりにそう叫ぶんだ)
「I hear you take the name of the Lord」というのは直訳すれば「神様の名前を言う」とかになるんだろうけど。つまりセックスの最中に「Oh my god」って言っている、って事で。
「take it in vain」の「it」は「the name of the Lord」で「take the name of the Lord in vain」となる。
そうすると、「神様の名前を意味もなく連呼する」みたいな意味がある。それは本来してはいけないこと、という意味でもある。
「personality」「sexuality」「curiosity」という3つの韻も面白いけどね。



最後にDaniel Gildenlöwのシアトリカルなヴォーカルが堪能できる、The Flower Kingsの"Adam & Eve"。この時のツアーもThe Flower KingsはDaniel Gildenlöw入りでツアーをしたんだけど、あれは凄かった。。。