King Crimsonの怪


King Crimsonって何か不思議なバンド。あの音楽性が創り上げられた過程は、時代の空気を無視することは出来ないだろう。
ロックの中に取り込めそうな音楽的な語彙やフォーマットが不思議な力でもって、一つのアルバムにピタッと収まった。
"In the Court of Crimson King"。
それだけでも、奇跡的なモンだ。
ロックの中で、やっぱり常に注目したいのは、このクリエイティビティ。
創造力ってやつですか?!ね!!!
別にプログレだからって、私は文字通りの革新性とかは要らない。
ただのノイズをウニウニ鳴らされて、「新しい」とかって言われても、あんまり楽しめなかったりするから。



そんな中、初代ボーカリストGreg Lakeさん。
Gods時代、Jimi Hendrixと一緒にツアーか何かして、あれにゃぁ、とてもじゃないけど、勝てない。
もっと全く違うものをやらないと!
僕はもっと英国人らしいヨーロッパ文化に根ざした方向性で行かないと!!!
と思ったらしい、って話を聞いたことがある。
また、当時、流行っていたR&Bも同様。あれは、出来ない、って考えたらしい。
Bob Dylanは好きなんだよね)
そういう意味では、負ではあるけど、この人も立派にR&Bの洗礼を受けてしまった。




そして2代目は………………

Gordon Haskellですね。King Crimsonファンからは、ベストや編集盤で、差し替えられたりする可哀想的な人扱いされますが、それは全くの逆で。
この方自体、King Crimsonにいたことを恥としてしまっている人なので、その経歴を自身が一番抹殺したがっている。
そんなGordon Haskellも、Ray CharlesChuck Berry、Little Richardsなどをこよなく愛する男だったらしい。
「歳時記」と題された2ndアルバムでは、あんまりそんな感じも受けず。もっと牧歌的で、フォークっぽく。これも、ある意味、英国的。グルーヴは聞こえない。プロデューサーがArif Mardinだもの。驚いた。

これが大ヒットしたんだよね。そりゃ、元King Crimsonは大きなお世話以上な話だろう、Gordon Haskellにとっては。


そして、John Wetton。この時期のKing Crimsonを始めて聞いた時、Robert Frippのギターの音がまるで黒板に爪を引っ掻くようなサウンドで、大嫌いだったなぁ。それに、中学生ぐらいの時に深夜番組でBeat Clubか何かの映像を見て、何か、やばいパーカッションのオヤジがいる、って思って、敬遠したんだよな。

多分、これだ。
普通、これを見たら、ヒクよね?!?!
まだイタイケなティーンエイジャーだぜ、私?だから、大学生になるまで自分でKing CrimsonのLPなりCDなりを買ったことがなかったもの。しかもAdrian Belew時代から買って、それから初期を買って、最後にRed期だもの。
さて、John Wettonだ。近年、色々あるみたいだが…。
King Crimson以前はFamilyにいた。
Familyというバンドは非常に大切なバンドだと思うんだ。好き嫌いは別にして。

91年にBBCが"Live In Concert"シリーズを始めた時、ブリティッシュロックファンはみんなお世話になったはず。その時、このシリーズの第1弾がFamilyだった。その時、Familyというバンドの位置が、判ったような気がするなぁ。
こんなブルーズロックバンドにいたんだから、言わずもがな、って感じだ。
そして、キーワードは、John Wetton時代のKing Crimsonで歌詞を担当したRobert Palmer-Jamesさんだ。
John WettonとRobert Palmer-Jamesも古くからの付き合いらしく。

Jack-Knife "I Wish You Would" ('79)

  • Richard Palmer-James; Guitar
  • John Hutcheson; Organ, Piano
  • Curt Cress; Drums, Percussion
  • John Wetton; Lead Voices, Bass, Keyboards
  • Produced by John Wetton
  • Engineered by Jurgen Koppers

1 I Wish You Would (Arnold)
2 Good Mornin' Little Schoolgirl (Williamson)
3 You can't Judge a Book by the Cover (Dixon)
4 Confessions
5 Eyesight to the Blind (Williamson)
6 Walk on Heaven's Ground
7 Dimples (Hooker / Bracken)
8 Mustang Momma
9 Adoration
()が付いているのが、カバー。見ての判るとおり、ブルーズの名曲オンパレード。
普通にロックファンなら、幾つか知った曲があると思う。
ラインナップを見て判るとおり、ドイツ録音。
その空気のせいか、普通のブルーズカバーにはならなかった。
Willie Dixonの"You can't Judge a Book by the Cover"なんて…。どうしたの?ってぐらい、どこかキッチュで。キーボードのせいだろうな。
そして、John Wetton、気持ち良さそうに歌っているんだ、これ。
やっぱり、この頃の声は良い声しているよなぁ(最近の頬の肉の付き方を見ると、あれで、発音がはっきり出ていない時があるのが判る)。




ドラマー陣も結構、見事にジャズフィールドで活動した人が多いのもKing Crimsonの特徴のような気がする。
おまけ。これ、驚いた。